Asia Arsenic Network - 特定非営利活動法人 アジア砒素ネットワーク

安全でおいしい水をつくる

安全な水とトイレを世界中に

アジア大河下流域の国々では、飲料水が砒素に汚染される問題が起きています。AANは、砒素汚染がある地域で、みんなが、安全で、おいしい水を、持続的に利用できることを支援しています。

AANがバングラデシュの砒素汚染地に建設してきた代替水源は、深井戸を除けば、どれも砂利と砂でろ過する装置です。ヒマラヤから運ばれて河川流域に堆積した砂層に滞留している地下水は、砒素以外の鉄やマンガンなどのほか、地上から浸透してくるリン酸やアンモニウムといった有機物を含んでいて、悪臭のするまずい水です。それを飲んでいる人には「胸焼けがする」と訴える人が多くいます。その水を砂利と砂でろ過することで、日本の山麓にわきでる清水のようなおいしい水に変わり、公共水源の利用者から「胸焼けがなくなった」と喜ばれるのです。

安全な井戸水

AANは長い間、「砒素をふくまない水」を提供することをめざしてきましたが、それだけでは利用者は公共水源を維持管理しようとしないことに気づきました。水源が故障したときは修理しませんし、近所に他の水源がつくられれば、そちらの水を汲みに行くようになります。ところが、おいしくて健康によい水を提供する公共水源に対しては、なんとか維持管理をして飲みつづけようとすることがわかってきました。維持管理に専門性が求められるときは、技術をもった者の手助けが必要です。AANは、ユニオン議会に水監視員を雇用・配置し、利用者の維持管理をサポートする仕組みづくりを試みて、ジョソール県のジコルガチャ郡で成功しました。

水監視員の提供するサービスによって、おいしくて安全な水を継続して飲むことができるならば、利用者はサービス料金を支払ってでも、その公共水源を維持管理しようとします。住民がおいしくて健康によいと喜ぶ公共水源の建設、その水源を維持するための地方行政によるサービス、その対価としてのサービス料金の支払い、これがそろうことによって、砒素汚染地に安全な水を継続して供給することが可能になります。

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