Asia Arsenic Network - 特定非営利活動法人 アジア砒素ネットワーク

NCDコーナー強化事業の英語版完了報告書

2019年から2022年までバングラデシュ国ジョソール県にて実施してきました「ジョソール県非感染性疾患リスク低減のための病院内相談室(NCDコーナー)強化事業」の英語版の完了報告書を掲載いたします。中低所得国における糖尿病、高血圧などの慢性疾患(非感染性疾患=NCDs)という新しい課題を扱う難しいプロジェクトでしたが、バングラデシュの当事者、政府関係者、プロジェクトスタッフ、日本で支援してくださった皆さまのおかげで成功裏に収めることができました。

バングラデシュのNCDsの問題の根の深さを考えれば小さな一歩ですが、公的医療機関で地方都市周辺や農村地帯の脆弱層をメインターゲットにNCDsの医療サービスを行ったことは大きな一歩となりました。事業が終了して半年が経過しようとしていますが、支援した全6病院でNCDコーナーは継続し、利用者も途切れることがありません。また、現地政府側の努力により各病院ともNCDコーナーを拡大するとともにリノベーションを行い快適な空間でサービスが提供できるようになりました。さらに、このNCDコーナーは、AANの設立以来の使命である慢性ヒ素中毒症患者の治療支援の受け皿としても将来的に役割を果たすことが期待されています。

報告書の前書きに収録された保健家族福祉省保健サービス局課長Prof. Robed Aminのメッセージの一部をご紹介します。

保健サービス局は、日本の外務省と協力してアジア砒素ネットワーク (AAN) が実施したプロジェクト「ジョソール県非感染性疾患リスク低減のための病院内相談室強化事業」に参加できたことを誇りに思っています。このプロジェクトから学んだ教訓は、バングラデシュの他の地域への普及と、保健医療従事者の NCD 予防の能力強化に役立つことが期待されています。この共同アプローチを通じてコミュニティに行動変容をもたらし、2030年までの持続可能な開発目標SDGsの達成に向けてNCDsに取り組むことに保健サービス局は明るい展望を抱いています。

バングラデシュ政府やコミュニティの人たちがこの事業から得られた成果を他の地域に拡大し、SDGs目標「NCDsによる若年の死亡の削減」に役立ててくれることを祈ってやみません。報告書はこちらからダウンロードしていただけます。本事業は日本NGO連携無償資金協力を活用して実施しました。

https://www.asia-arsenic.jp/ctrl-hiso/wp-content/uploads/2022/08/Final-Report-of-NCD-III.pdf

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