Asia Arsenic Network - 特定非営利活動法人 アジア砒素ネットワーク

新型コロナウイルス感染拡大に伴うAANの対応について

世界各地で猛威をふるっている新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で犠牲となった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

アジア砒素ネットワークが主に活動をしているバングラデシュでは、38日に初の感染者が確認されて以来、その数は増え続けています。

 

私たちAANは以下の対応を行いました。

  • 3月上旬から感染拡大防止対策(消毒・換気・密の回避等)について現地スタッフに対し周知徹底。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大における現地のリスクを見つけ、改善の提案を行う。(特に重要な点は、政府病院内における混雑とそれによるサービス提供者のストレスの解消)
  • 現地スタッフのリーダーがイニシアティブをとり、世界保健機関(WHO)の健康教育教材を活用しオリエンテーションを319日に実施。事務所や病院内での予防対策の徹底、啓発活動など、早期に開始。

 

現地での外出自粛要請以降は一時期撤退

  • 326日、バングラデシュ政府による外出自粛要請。現地スタッフも移動が困難となり、自宅待機を原則とした。日本人駐在員の帰国。

今後の計画

  • AANは、20193月より、政府病院での非感染性疾患(NCD)のサービス提供において、相談、データ管理などの社会的サービスの強化を支援してきました。NCD、つまり、糖尿病や高血圧、慢性呼吸器疾患などは新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクを高めると言われており、病状のコントロールは重要です。
  • このため、AANは今まで蓄積してきた約1万人分のNCD患者データを活用し、対面以外のサービス導入を検討しています。具体的には、リスクの特に高い人を優先に電話で生活・身体状況の聞き取りをした上でアドバイスをします。また、SMSWebを活用して疾病に応じた啓発メッセージを発信していきます。オンラインを活用して重症化を予防し、医療アクセスを高める支援をしていきます。
  • 更に、政府病院の待合室や診療室周辺の混雑は激しく、新型コロナウイルスの感染を考える上でリスクが高いことから、動線の工夫、スペースの拡張などにより混雑緩和を図るほか、現地で入手できるものを活用して飛沫感染防止対策を進めるなど環境改善に努めます。

AANが取り組んできた飲料用の地下水が砒素に汚染されていた問題は、起源をたどればコレラや下痢疾患といった感染症予防の水供給対策の弊害として生まれた問題です。AANの主な活動地域であるバングラデシュは、歴史的に繰り返されたコレラ・パンデミックの発生源であり、長い年月に亘り植民地支配を受けたことで社会経済的な脆弱性を抱えた地域でした。

私たちAANは「砒素を封じ込める」という発想ではなく、現地の人の暮らしを脅かす社会脆弱性という“穴“を埋めるために、水と衛生、保健、農業などの分野で、恒久対策に取り組んで参りました。25年の活動から得てきた知見・経験は、新型コロナウイルスによる危機を、公平に、弊害なく、持続可能性を持って乗り越えていくために活かせるものと確信しています。

 

当面は、政府機関、現地コミュニティと協力して、感染拡大とそれに伴う被害の抑制に向け、尽力して参ります。皆さまのあたたかいご理解、ご支援をお願い申し上げます。

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寄付のお願い

◆医療協力

新型コロナウィルス感染拡大予防のため、NCDコーナーの環境整備に使用させていただきます。(予防のためのマスク・衣服・消毒薬などの医療用品、混雑緩和のための施設拡張費用等)

◆友好の水協力

保健医療施設内の安全な水供給に活用させていただきます。(井戸の掘削、フィルター設置、水回りの整備等)

振込み先 *以下の口座番号と加入者宛てにお振込みください。

振込先 ゆうちょ銀行
振込口座 01980-8-6026
加入者名 アジア砒素ネットワーク

 

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