Asia Arsenic Network - 特定非営利活動法人 アジア砒素ネットワーク

11月16日開催 シンポジウム「ヒ素対策は社会の強靭化に貢献したか?」

11月16日(土)長年ヒ素対策に関わってきたメンバーが集まり、シンポジウムを開催いたします。ぜひご参加ください。

お申込みはこちらから!
https://forms.gle/APvJE7sEDYSvyMGk9

日 時:2019年11月16日(土)13:00~
会 場:聖心女子大学4号館/聖心グローバルプラザ 東京都渋谷区広尾4-2-24 広尾駅4番出口より徒歩2分                                                                      対 象:国際協力、環境などに関心を持つ方。 
参加費:1000円 ※聖心女子大学の関係者は無料です。
主 催:(特活)アジア砒素ネットワーク

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アジアの農村部に広がる地下水ヒ素汚染問題とは
 インド、バングラデシュ、中国、カンボジア、ミャンマー、ネパール、ベトナムなどアジアの広い地域で、飲料用の地下水が発ガン性物質「ヒ素」に汚染されていることが、1980年代以降、報告されてきました。
 最もヒ素汚染が深刻なバングラデシュでは、かつて、コレラのような水系感染症が蔓延していました。感染症は一度発生すると被害は一つの地域にとどまらず、他地域にも拡大し甚大な被害をもたらします。このため、国際機関、NGO、各国政府等は、1970年代以降、水系感染症予防として汚染源と言われた川や池の水の利用を止める対策を推し進めてきました。

 地下水が豊富な地域であったため、手押しポンプ式管井戸の掘削技術が一般化すると井戸水の利用は急速に拡大しました。井戸の普及は感染症予防や乳幼児死亡率低下に大きく貢献したと言われています。
 しかし、ほとんどのアジア農村部には、社会経済的要因から、水道敷設のめども立たず、継続的に飲料水基準を満たす安全な水を供給する体制が整っていませんでした。つまり、井戸は掘れても、事前適性調査や水質モニタリングを担う人材や機関がありません。その結果、地下水にヒ素が含まれていることに気づかず、約6,000万人がヒ素に暴露する事態を引き起こしました。
 そもそも、アジアの飲料水ヒ素汚染は、このような脆弱性を抱える国や地域に起きた問題です。
 だからこそ、社会基盤が脆弱なままでは、この問題は克服できないのです。
 水供給においては、水量を確保するだけでなく、水質の安全性を管理する必要があります。
 健康被害対策においては、感染症だけでなく、慢性疾患の予防と管理を支える持久力のある保健医療サービスを整える必要があります。
 技術が進歩しても富裕層や都市住民が優先される格差社会では取り残される人が生まれます。
 付け焼刃の対策では通用せず、遠回りでも強靭な社会を作ることが求められるのです。

持続可能な開発目標(SDGs)との関係
 2015年、SDGsが国連で採択されました。アジア砒素ネットワークはSDGsが提唱される前から、持続可能な強靭な社会の構築を目標にかかげ、水供給、保健、食・栄養・農業などヒ素問題解決につながる取り組みを進めてきました。この度、シンポジウム「ヒ素対策は社会の強靭化に貢献したか?」を開催し、これらの取り組みを振り返り、ヒ素問題とその対策の教訓を今後の国際協力に活かす方法について参加者とともに考えます。

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☆プログラム
第23回宮崎ヒ素フォーラムからの引継ぎ 西村佳代
基調講演 アジアのヒ素汚染問題   谷正和

☆パネルディスカッション
ヒ素が開発援助に与えた影響   村上心
ヒ素の発見が水供給にあたえた影響 
 ①水文地質データの活用     末永和幸
 ②代替水源技術と普及      雁沢夏子
ヒ素をきっかけに始まった関連分野の動き 持続可能な食生産&命を折る地域づくり 石山民子

司会 矢野靖典

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