Asia Arsenic Network - 特定非営利活動法人 アジア砒素ネットワーク

【バングラデシュ】病院内相談室強化事業を開始しました

たとえ高度な医療技術が存在しても、健康保険や社会保障が整っていない国では、治療をあきらめてしまう人がたくさんいます。AANは、バングラデシュにて、医療にかかれないでいる人が、病院に行きやすくするための支援事業を開始しました。

AANは2012年にバングラデシュで非感染性疾患(NCD)の調査をして以来、6年間コミュニティレベルでNCDの予防活動を推進してきました。

NCDとは、糖尿病、高血圧、慢性肺疾患、癌など移らない病気の総称です。日本では生活習慣病としてなじみがありますね。途上国においてもグローバル化や都市化などの環境の変化に伴った生活スタイルの変化に起因する病気が蔓延しており、バングラデシュの死因の6割以上にのぼっています。
さらに、飲料水に有害物質砒素が混入することで発生する慢性砒素中毒症のように、安全な水を含む社会的インフラが整備されていないことが疾病の原因になることもあります。
6年間の取り組みの結果、バングラデシュの農村部、地方都市部にあった予防や早期発見の手法はほぼ確立され、コミュニティでできる基盤を整えることができました。私たちの確立してきた手法は、バングラデシュ政府の保健サービス局にも受け入れられ、その要素は他の地域にも拡大していく見通しです。

発展途上国でも、母子保健や感染症対策に長年取り組んできた国は多いですが、NCDの取り組みが始まったのは、つい最近で、それまではほぼ手付かずの状態でした。政府の病院に行っても、NCDの治療を受けることはできなかったのです。
当然のことながら、すでに病気になってしまっている人には早急に、確実に医療サービスを届ける必要があります。NCD予防の推進だけでは限界があると感じはじめていた私たちの元に、バングラデシュ政府も政府の無料医療サービスの一環に糖尿病や高血圧を含める方針を出したというニュースが入ってきました。

この動きを支援し、最も効率的に、最も必要な人に、確実に医療サービスを届けることができるよう、2019年3月から新しい事業を開始しました。

それが、ジョソール県における非感染性疾患リスク低減のための病院内相談室強化事業です。

病院内の①NCDコーナーの整備、②データ管理システムの構築、③健康教育教材の整備、④コミュニティレベルの予防や早期発見の支援と、病院との連携システムの構築を含め、事業を推進していきます。

本事業は外務省日本NGO連携無償資金協力の支援を受けて2019年3月~2022年3月の3年間の予定で実施します。

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