ミャンマーの砒素汚染

ミャンマーは人口約5,500万人、周りを中国、ラオス、タイ、バングラデシュ、インドに囲まれた南北に長い国です。国土の中心にはエーヤワディー川という大河が南北に伸びておりその南部に砒素汚染地域が見られます。

ミャンマーの飲料水源は池、泉、川などでしたが、1990年以降、約40万本の チューブウエルが掘られて地下水の飲用が始まりました。

2002年にダッカで開かれた「砒素円卓会議」で、ミャンマー政府の予備調査の結果、ラカイン管区で65%、シャン管区で63%、エーヤワディー管区で35%、バゴー管区で12%のチューブウエルの砒素濃度が0.05mg/lを超えており、推計75万 人がこの水を飲んでいる、と報告されました。

その後ミャンマー政府は、水質検査、代替水源の建設、住民への健康調査と学校やコミュニティへの啓発活動などの対策を開始しました。
具体的には、UNICEFとともにミャンマー全域の井戸のスクリーニング水質検査の実施、砒素汚染度の高い地域への深井戸(Afridevポンプ)の設置や、家庭用セラミックフィルターの住民への配布が行われました。
また、2008年には、エーヤワディー管区で合計367の代替水源、バゴー管区で188の代替水源が建設され、2009年にも追加でそれぞれ70、43が建設されているとのことです。

その後、2009年の時点でもエーヤワディー管区とバゴー管区では、2765村の436,295人が危険にさらされているとの報告があります。砒素患者については、ミャンマー政府医療研究機関の調査では、砒素中毒症になっている可能性のある住民が少なくとも5人はいると報告がありますが、いずれも症状は軽いようです。

ミャンマーでは、
全井戸を対象とした水質検査と継続的なモニタリング、適切な代替水源の提案や建設、住民への健康問題も含めた啓発活動とそれらを継続的に実施するためのフィールドワーカーの育成などが今後も必要です。

アジア砒素ネットワークは2005年9月、3人のネットワーカーをミャンマーに派遣しました。派遣報告書は以下をご覧ください。

AANミャンマー派遣報告書(2005年9月)