バングラデシュで水監視員を全国に普及する動き

今日(6月21日)夕方の飛行機でジョソールを離れ、ダッカに向かう。22日にダッカで関係者を訪ねたあと、23日のタイ航空機でバンコクを経由して24日朝福岡空港に着く。今回は4月14日に福岡をたったのだから、2か月と10日のバングラデシュ滞在だった。

この2か月余の最大の成果は、地方行政(ユニオン議会)がパニ・ポリドッショック(水監視員)制度を確立し、公共水源を持続的に維持管理していくための目安になる、月8,000タカ(約1万円)のサービス料金徴収を達成したユニオンが2つでたことだ。今年中に、あと3つ4つのユニオンが目標に到達するとみられている。

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この達成を受けて、3つの動きがでている。

1つは、地方行政・農村開発・協同組合省の地方行政局(LGD)とJICAの動きである。5月29日に開かれた本プロジェクト(地方行政=ユニオン議会=による飲料水サービス支援事業)の第4回JCC会議(合同調整委員会)の席で、LGDと公衆衛生工学局(DPHE)が、パニ・ポリドッショック制度の普及をはかるためのプロジェクト提案書をつくって、JICAに協力を依頼することが話し合われた。JICAの松村氏は、LGDの自主性を評価して、「上司と相談して協力の可能性を検討したい」と述べた。こんご、LGDが主体となってJICAが技術的・資金的に支援する「パニ・ポリドッショック普及プロジェクト」の可能性がさぐられる。

10-3 廿枝所長ロッキンプールAIRP見学 (7)52KB

2つ目は、6月19日にダッカ市内で開かれたホリゾンタル・ラーニング・プロプログラム(HLP)の運営会議に、本プロジェクトのチームリーダーのラジュが参加し、マルティメディアを使って約5分間のプレゼンテーションをおこなった。30人近い参加者の関心は、利用者からサービス料金を徴収して運営するグッド・プラクティスに集まり、数か月以内に、農村の水供給全体(計画・建設・維持管理・水質検査)をテーマにするワークショップを開催することが決まった。このワークショップに参加したユニオン議長が、自分のユニオンでもパニ・ポリドッショック制度をとりいれたいと考えれば、ユニオン同士の学び合いを通して広がっていくことになる。

3番目は、来年5月に終了する本プロジェクトのあとの草の根技術協力案件として、アジア砒素ネットワーク内部で、パニ・ポリドッショックの普及をすすめるプロジェクト提案書を作成することだ。

この3つは相互に関連しており、いまは混沌としていて、どんな流れに展開していくのかまったく見えない。

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そんなとき、JICAダッカ事務所の廿枝所長が、JOCV(青年海外協力隊員)の活動視察にジョソール県とシャトキラ県を訪れた。廿枝所長が本プロジェクトの活動地ジコルガチャ郡の状況を見学したのは6月18日だった。

ロッキプール村のAIRP(砒素鉄除去装置)では、利用者の女性たちが「井戸水を飲んでいたときは胸焼けで苦しんでいたのに、この水を飲むようになって胸焼けがしなくなった。井戸水を炊事に使うとお米が黒くなるのに、この水だとご飯をたいても色がつかない。パニ・ポリドッショックが定期的に維持管理にきてくれるので安心していられる。月10タカ以上のサービスを受けている」と喜びを語った。

この日の見学が、パニ・ポリドッショック普及プロジェクトの形成に好影響を与えることを期待したい。